日本財団 図書館


 

考えられるが、ネットワークを介して伝達する場合、送信、受信の確認を行うことができることから、かえって確実性が増すということもできる。

現在の使送便の場合には、担当職員が交換センターに運び込み、自省庁宛ての文書を持ち帰るという方式を採用しており、送受信が確認されず、かならずしも確実な方法とはいえない。運搬途中での紛失の可能性も否定できない。霞が関WANの場合、現在のところ、各省庁を接続するクローズされたネットワークであることから、かなりの高いセキュリティで、ネットワークで伝送途中における漏洩、紛失の危険性はむしろ、使送便より少ないといえよう。ハッカー等の意図的な情報窃盗、破損等に対する対策もかなり技術的に安全性が確保されており、職員が手で持ち運ぶ途上での盗難・窃盗より確実性は高いと考えてよい。外部からの不法な侵入、秘密性が高い文書の暗号化等の技術を採用し、安全性、確実性の高い文書伝送システムを早急に構築するべきである。

?B 原本性

公文書をネットワークで送付する場合に、文書の原本性が問われる。この原本性は、公印の扱いと、送付された情報が原本であることの認証という2つの面から検討されなければならないが、この2つは相互に密接な関係がある。すなわち、従来の公文書は公印が押されていることによって、それが唯一原本であるという証明としていたが、ネットワークを介して送付される場合に、この公印に代わる認証システムが必要になる。このためには、特定のサーバーに予め公印に代わる電子印を登録しておき、権限を与えられた者のみがアクセスし、使えるようにする方式が考えられており、いずれにしても、技術的には解決可能な問題となっている。この方式の方が、従来の物理的な印鑑の保管より、安全性が高まるものと考えられる。

?C 利便性

ネットワークを介して電子媒体で情報を交換することによるメリットは多くある。

霞が関WANは行政機関間のネットワークの原形となるものであるだけに、このメリットをフルに活用したシステムとするべきであろう。例えば、各省庁間で交換される情報には、全省庁や、複数の省庁へ一斉に送付することもあるし、ある一定時期の後に送付、公開というものもあろう。また、省内LANに接続されたパソコンで作成した文書を自動的に相手先省庁へ送付する要望もあろう。さらに、受信した情報を編集・加工して活用することもある筈である。以上のような利便性の高い情報の伝達、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION